先ずは長らくブログの更新が出来ず申し訳ありませんでした。
一般消費者の方により分りやすい入れ歯の説明を模索した結果、動画で紹介するのがよいだろうということになり、デンチャーTVというYouTubeのページをお作りしました。内田歯科医院のHPにリンク先がUPされておりますので、是非ともご活用なさって下さい。
また、こちらのブログでは主に治療について述べていきたいと思っております。不定期の更新になろうかとは思いますが、何卒よろしくお願い致します。
今まで数多くの総義歯の難症例を診させていただきましたが、正直、このケースは無理かも、、、というのが時おりあります。その度ごとに担当の技工士さんと知恵を絞り、連携を密にして何とか困難を打開してきましたが、今回ご紹介するケースもまさにそれに当てはまります。この度はご本人から同じような症状、状態で悩んでおられる一般消費者の方への参考にして欲しいというたっての希望があり、ご紹介させていただくことになりました。
初診時に旧義歯のアウトライン(床縁)を今の顎堤(顎の土手)に合うようにトリミングを行い、粘膜調整材を用いて応急的に総義歯の調整を行い、何とかほんの少しだけでも噛める状態にもっていく。2回目の来院でも再度、粘膜調整材を使用してアウトラインを理想的に近づけるよう試みる。しかしながら、極度の顎堤吸収異常にほぼ全周可動粘膜(粘膜部分が骨から完全に剥離してプカプカ浮き上がる状態)、さらには骨格性の反対咬合というダブルパンチが加わり先行きが不安である。3回目の来院、元々極度の顎堤異常により印象採得自体は困難を極めたが、Kr自身の振戦(震え)、固縮(こわばる)により義歯の印象採得が不可能になったため、調整中の義歯を用いて作業模型を製作する。幸い上下の顎間距離は問題がなかったので、そのまま上下の義歯を預かり咬合器へのマウントも行う。時間にして30分ほど待合室でお待ちいただいた。上下義歯のベースプレート(土台となる部分)は歯科医師自らがいつものように作製し、4回目の診療で上下の咬合採得(咬み合わせ位置の決定)を行うが、前述等の理由につきやや精度が出ていない。次のステップで補正が必要である。人工歯排列を専属の義歯専門技工士さんに依頼する。5回目の診療で人工歯の排列と咬み合わせの確認を行う。予想通りかなりの補正が必要になり、骨が折れる診療となった。疲労困憊である。しかしながら、何とか次回完成義歯まで漕ぎつくことが出来て良かった。6回目、完成義歯を用いて先ずあたり(痛い部分)の調整を行うが、Kr自身の固縮が酷く、上顎義歯のみ粉末タイプの入れ歯安定剤を応用して下顎義歯の調整、咬合圧印象(シリコーン印象材を用いた機能印象)を行う。トリミングを行いシリコーン専門の技工所に作業を依頼する。前回同様、疲労困憊の診療となった。7回目の診療、上顎はレジン床義歯、下顎はループシリコーンデンチャーを装着。下顎のみあたりの再調整を行う。以上にて治療完
了。



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